ターザン&柴田の1億総勝利宣言
■ターザン山本
1946年、山口県生まれ。元週刊プロレス編集長。カリスマ編集長として一世を風靡するも、1996年に記事「地方で手を抜く新日本」をきっかけに新日本プロレスから取材拒否を受け、責任を取って編集長を辞任。同年に発行元を退社。その後は流浪の者となり自由に生きる。
■柴田和則
フリーライター。秋田県生まれ。巌流島の運営スタッフ。巌流島オフィシャルサイトの編集、外国人選手のブッキング、日本人選手の窓口、マッチメイク相談役など諸々の運営業務を担当。2020年4月に女武士道「凛」の開催を企てるも、コロナ緊急事態宣言により断念。なんだかんだで自由に生きる。
Voicyで「ターザン山本の風の声ラヂオ」始動!
柴田 はい、山本さん。唐突ですが我々、音声メディアに参入することになりました。Voicyデビューです。山本さんと僕の2人でやっていきますよ。
ターザン バンザーイですよ! 僕はね、この12月で長年やってきたブログ「ターザンカフェ」が終了し、キャバクラも出禁になったの。多くのものを失ってゼロになったんだよね。そしたら、1月からこうして音声メディアという新しい世界に飛びこむ流れになってさ。人間何かが終わると、また新しい何かが始まるという、その典型だよね。これはもうやるしかないですよ。ビッグチャンスだと思ってやりますよ!
柴田 よろしくお願いいたします。
ターザン おう、俺とお前の最強タッグでいくぞ。
柴田 はい。令和のハンセン&デビアスになれるようけっぱります。さて、Voicyは誰でも始められるものではなく、審査制なので、パーソナリティ希望者は自ら応募して、審査を受けなきゃならないんですよね。この審査がなんと合格率1%以下といわれる狭き門でして。ターザン山本はその難関を通過したわけですよ。
ターザン 俺も捨てたもんじゃないよなぁ。
柴田 僕も半分冗談、半分本気で応募したんですけど、なにやら引っかかってくれたみたいで。
ターザン これはもう奇跡ですよぉ。
柴田 Voicyのあのメンツのあの雰囲気の中にターザン山本がいるっていう、それだけで笑えるじゃないですか(笑)。なんでターザン山本がいるんだよっていう。しぶとい野郎だなぁっていう。
ターザン そういうことだな。もうその時点で勝利宣言ですよ。
柴田 そんな音声メディア・デビューですけど、もうイメージはできてますか?
ターザン できてる。要はYouTubeがもう飽和状態でさ。猫も杓子もという状態で飽きられてきてるじゃない。やる側にも「やってても意味がない」という空気感が漂ってきてるしさ。それに対して音声メディアというのはすごく現代的だなと思ったね。何かをしながらでも音だけ聞こえると。その気楽さというか、ゆるさというかさ。これはいいですよぉ。
柴田 今後もYouTube一色でいくのかな、というくらいの勢いだったわけですが。
ターザン 視覚優先だと見なきゃいけないというので支配されるじゃない。
柴田 行動と時間を束縛される感はありますよね。
ターザン 対して音声メディアは同時に何かをできるわけでしょ。これは自由ですよぉ。実に現代的ですよぉ。
柴田 何か作業をしながらとか、歩きながらとか、こちらに選択権があるのがいいですよね。YouTubeのように「10:0」の関係じゃないというか。それと、いい意味で情報量が少ないぶん余白がある。完全に受け身ではなくて、こちらも同時に頭を使って脳内で対話できるっていう。
視覚は老いても声はハゲない
ターザン あとビジュアルも関係ないじゃない。声の質だから。俺の声質って高いだろ。高い声っていうのは非常に心地がいいんですよぉ。
柴田 我々の場合はドッキリやイタズラ物をやるつもりもないですし、そういう意味でもヴィジュアルは不要ですよね。
ターザン 音声だからこそ、逆にこれまで届かなかった人たちにも届く可能性が出てくるわけですよ。「見る」という行為は限られるから。「聴く」ということで一気に膨張していく可能性はあるな。
柴田 ああ、動画だから見ないというパターンもあるか。それに僕と山本さんの場合は、おっさんとおじいさんなわけで。おっさんとおじいさんが座って喋ってる絵なんて、ビジュアルとして要るのかっていう(笑)。
ターザン そう。音は年齢と関係ないじゃない。音声は年をとらないから。視覚は年をとるんですよぉ。視覚だと俺は今じゃもうハゲたおじいさんだろ。
柴田 今じゃというか、山本さんは僕の青春時代からハゲてましたけど。
ターザン でも声はハゲてないから!
柴田 声がハゲてる人ってどんなんだよ(笑)。
ターザン 要は、声には永遠性があるわけですよ。
柴田 見た目は劣化しても、魂は変わってないわけでね。
ターザン うん。声と魂は変わらないわけですよ。少なくとも僕らはね。視覚だとどうしても時間軸がわかるから。40代になった、50代になったとか。そういう限界があるわけだけども、音は年齢を超えていると。時間を超えているわけ。我々にとって時間軸こそ最大のストレスなわけですよ。
柴田 恐怖でもあるし。
ターザン そうそう。歳をとるということ。そして、やがては死ぬということ。それが不安であり、恐怖なわけ。でも声だけはそこから解放されてるんだよね。
柴田 音声には永遠性がある。視覚には永遠性はない。むしろ、その対極であり、常に劣化していく宿命にあると。
ターザン つまり音声メディアの核心は「自由と永遠性」。これは大発見ですよぉ。
柴田 アメリカなどではすでに盛り上がっているという音声メディアですが、そこまで理解してやっている人は少ないかもしません。
ターザン 誰も理解しちゃいませんよ。わかってるのは僕だけですよ。はっきりいって、これはニュートンの万有引力やアインシュタインの相対性理論に匹敵する大発見ですよ。
柴田 まだ音声メディアを始めてもいないのに、世界でただ一人そこまでわかってしまった(笑)。
ターザン 他のみなさんは、よくわからないままやっているわけですよ。でも俺は「定義王」だから。すべて定義して、言語化するわけですよ。だから、まだ始めてもいないけど勝利宣言ですよ!
現実では74才だけど、音声メディアでの俺は21才
柴田 しかし、音というのはシンプルなようでいて、言語や動画とはまた異なる独自の世界観がありそうですよね。
ターザン うん。演歌の『津軽海峡・冬景色』を聴くと、その世界がバーっと脳内に広がるじゃない。童謡を聴くと、子供の頃の気持ちが生々しくよみがえるわけでしょ。音というのは、そういう不思議な魅力があるわけですよ。
柴田 また聴き手それぞれによって見える風景も違うでしょうしね。動画だと提示されるものを100%受け身で受容せざるをえないけど、音は受け手に裁量があるというか。その部分でも自由がある。
ターザン 自由度が無限大なんだよね。視覚は限定的だから。
柴田 音声は時間軸を超えているということですが、では山本さんがパーソナリティをするときの魂は何才くらいのイメージなんですか?
ターザン あのね、僕の人生の頂点は大学時代の21才なんですよ。それが僕の一番の栄光の時代ですよ。僕は時間軸の中では歳をとってきたけど、心はあの21才のまま。あの未熟さがもっとも美しいわけですよ。
柴田 週刊プロレスの編集長をしていた40代の頃が黄金時代というわけではない?
ターザン あれは社会的成功だから。あくまで俺個人の頂点は、21才の山本隆なわけ。
柴田 ではこれから音声メディアで喋るときのアイデンティティは21才なわけですね?
ターザン 現実では74才だけど、音声メディアのときは21才だと思って聴いてほしい。
柴田 みなさん、だそうです(笑)。21才の山本をよろしくお願いいたします。時空を超えて、21才の山本隆となって、まるでイタコのように語りだすわけですね。
ターザン 俺はザ・タイムマシーンですよ。だから、聴いてくれる人との間にも年齢の壁がなくなるわけだよね。年齢を超えたコミュニケーションができるわけ。あるいは男女の性を超えたコミュニケーションができるわけ。ヴィジュアルがあると、ヴィジュアルという限定のもとでコミュニケーションがスタートしちゃうんだよね。だけど声だと、すべてのものを超えてコミュニケーションがとれるという自由があるわけですよ。
柴田 こちらも解放されて、あちらも解放されて、互いに自由になって。改めて、音声メディアのテーマは「自由と永遠性」だと。
みんなのハートにポッと火をつけて
ターザン いっとくけど、これ大発見だよ。
柴田 音声メディアひとつだけで、これだけの意味づけを勝手にしちゃうんだからすごいですよ(笑)。
ターザン 俺は無意識を言葉にするのがすごいからね。前線にいるひとたちは感性や勘が鋭いんだよね。でも俺みたいに言語化できてる人はいないから。つまり俺はみんなを触発する触媒なんですよ。放火魔なんですよ。火をつけるわけ。そのためにやるのが我々の音声メディアですよ。マッチをつけて、彼ら彼女らの精神にポッと火をつけるわけですよ。
柴田 リスナーのハートに火をつけて。
ターザン それで覚醒する人もいれば、いやがる人も、無視する人もいるだろうし。それは相手の自由ですよ。俺はマッチ一本で火をつけにいくだけですよ。
柴田 その意味でもお互い自由な関係ですしね。
ターザン そう。どう受け止められても俺は関係ない。俺らは何にも縛られる必要がないしね。
柴田 うん。その「何にも縛られない」というのは大事なテーマですね。最大のテーマかもしれない。
ターザン あのね、YouTubeの場合は「お金を儲けられるんじゃないか」という、すごく俗っぽい動機が前提にあるわけですよ。そう思った時点でもうダメなわけですよ。しょっぱいわけですよ。
柴田 う〜ん。確かにその何か濁った空気感に支配され始めた感はありますよね。濁った魂が漂っているといいますか。
ターザン YouTubeの人たちからは功利的なものを感じるでしょ。俺もそれこそ「ターザン山本こそYouTubeをやるべきだ」と、周囲から何度も言われてきたわけ。でもなんか違うなと。どうもピンとこないなと。でもお前から「音声メディアをやらないか?」と誘われたときに、なんの違和感もなく「ああ、いいな」と思えたんだよね。「これだな」って思えたの。俺はただ自分の才能をすべて世の中に開放したいという、それだけだから。
柴田 損得でやっちゃうと、気持ちも続かなくなるでしょうしね。
ターザン 「ここまでやってるのにこの数字か」という発想になるからね。だからみんな脱落していくんよ。だったら初めからやるなと言いたいんよ。
柴田 オナニーくらい自然なライフワークとして続けていけたら最強ですよね。誰に頼まれなくてもやっちゃうわけで。
ターザン 好きだからやるだけですよ。その原動力が一番ですよ。
柴田 Voicyでは、どんなことを語っていきたいんですか?
ターザン まず自分の頭で考えてる理想とか夢とか、そういう世界観だよね。もう一つは自分のくだらない、どうでもいい日常生活を面白おかしく話してみたいと。そういう形而下でのおもしろい話と、文化論や人生論などの形而上学的な話。これらを弁証法的に組み合わせながらやっていきたいね。
柴田 なるほど、何やら小難しいけど素晴らしい。でも、それこそがまさに人生そのものですもんね。有名無名に関わらず誰にとってもね。理想の美しい世界があって、またどうしようもない現実の日常があって。でもどうせなら、そのどうしようもない日常を笑って過ごそうよっていう。
ターザン そして純にならないといけないね。無垢になること。それといつだってまたREBORNですよ。74歳でたくさん失ってゼロになって、また新しいことに挑戦するわけだから。だって我々の細胞は日々死んではまた新たに生まれ変わってるんだからね。
柴田 であれば、その細胞の集合体である我々だって、いつだってまた生まれ変われるはずだろうと。
ターザン そう。日々生まれ変わってるんだから。こうしてまた新たに挑戦できるというのは燃えるし、喜ばしいことだよね。
ターザン山本のVoicyでスポンサー募集!
柴田 わかりました。もちろんプロレスや格闘技の話題も取り上げながら、やってまいりましょうね。ではさっそく2021年の新春から始めていきましょう。というわけで我々は好きだからやるだけですが、とはいえ我々のVoicyの放送ではスポンサーも募ってまいります。ターザン山本をタニマチとして応援したいという方は、是非じゃんじゃんどしどしご連絡くださいませ。
ターザン お金のためにやるわけではないけれども、来るものは拒まずですよ。今の時代ではお金は稼ぐことではなく、あげるもの、もらうものなの。だから、あげるというのなら、もらうまでですよ。そこに整合性はあるんですよ。
柴田 はい。スポンサーしてくれる企業様のお名前を放送内でコールして、宣伝させていただきます。ご興味のある方は山本さんか私までご連絡ください!
ターザン みなさん、ぜひお願いいたします! 押忍!