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きみの生き方を見つめたい。時代のテーマは「女武士道」で決まりだ!

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ターザン&柴田の1億総勝利宣言

■ターザン山本
元週刊プロレス編集長。巌流島プロデューサー谷川貞治氏とは、週刊プロレス、格闘技通信を発行していたベースボールマガジン社時代の上司・部下の関係。

■柴田和則
フリーライター。巌流島の運営スタッフ。巌流島オフィシャルサイトの編集、外国人選手のブッキング、選手管理など諸々の運営業務を担当。

俺たちの知覚が発動するとき

ターザン おい、柴田

柴田 なんですか。

ターザン 俺はわかったよ。発見したんだよ。

柴田 真実をわかってしまいましたか。

ターザン あのね、発見があるということは俺の知性が発動してるわけですよ。それはどういうことかというと、感性と感覚は違うんだよね。感覚というのは単なる生きているうえでの印象やその風景でしかないわけ。

柴田 では感性とは?

ターザン 感性となるとそこでその風景を知覚でさ、知性とか精神でキャッチするというかさ。本質をつかむというね。そういう作業が要るわけですよ。でもみなさんは感覚だけで生きているわけですよ。俺は感覚にプラス知覚を作用しているわけ。だから発見とか有意義な気分を味わえるわけ。これが重要なことなんですよ。

柴田 きみは知覚を作用させているか。

ターザン プロレスを感覚だけで見ているひとは表層だけを楽しんで興奮して遊ぶわけよ。

柴田 楽しむまではできる。

ターザン できるというか、それでいいわけですよ。エンターテイメントなんだから。雰囲気を楽しむというかさ。そうして余暇で日常生活のうっぷんを晴らせるんだから。でも活字プロレスというのは、展開されている現象のもうひとつ奥に何か別のものが生きているんじゃないか、動いているんじゃないか、存在しているんじゃないか、ということをあえて探すわけだよね。あえて追求する。それが活字プロレスの変な性格なわけですよ。

柴田 変な性癖というか。もうひとつラインを越えていこうとする。

ターザン そう。しかし、それが今流行っているかというと、流行っていないわけですよ。若い人らがそれを受け入れるかどうかは彼らの自由だから。俺らはそういう感覚で育ってきたというだけの話であって。そういうのを裏目読みというんだよね。そして裏目読みが必要ないのが今の時代なんだよね。

柴田 それくらい世界が白黒はっきりしてきたのか。あるいは白黒はっきりしてると思いこんでるだけなのか。

ターザン まぁでも今の人たちのほうが自由なわけだよね。俺らは活字プロレスに束縛されてるわけですよ。

柴田 どこかやらされているような。ある種の義務感なのか。

ターザン 変な使命感なのかさ。あるいは快楽なのか、エリート意識なのか。でも今はもうそういうのは必要ないわけ。それは進化というか分化というかさ。みなさんは進化というけど、俺は分化だと考えているわけ。

柴田 種がイヌ科だネコ科だと分かれるようにして。

ターザン 進化だ退化だという価値観だとか、正しいか正しくないかというのが面倒くさいんだよね。だから分化したわけ。

柴田 優劣どうこうではなくて。

ターザン 歴史が上昇して進化したんじゃなしに分化なわけ。分化の深度が深くなってるということなんだよね。

柴田 一直線に進んできたわけではないですもんね。

ターザン 偶発的に生まれるんだよね。一方で必要に迫られて分化していくというさ。ここが重要なわけ。

柴田 そのときどきの時代性と作用しあって、偶発的かつ必然的に起きると。では今現在の状況も必要に迫られてこういう状態になっているわけですよね?

ターザン それは要するに昭和という泥くさくて、いかがわしい時代があって、それが平成の時代ですべて中和されて濾過されたわけ。そしてどんどん透明化してきたんだよね。だから平成は昭和の裏返しでしかないわけ。そこで表も裏返しもなくなってできたのが令和なの。だから俺たちは昭和も平成も捨てないといけないんだ。これを捨てたときに初めて令和があるんですよ。

柴田 その先に本当の新時代があると。

メモリアルとノスタルジーの時代

ターザン でも今はメモリアルというかノスタルジーの時代になってるんだよね。

柴田 誰もが?

ターザン いや、昭和のひとたちが。濾過されてしまったからさ。だから今、昭和の時代を懐かしがったトークショーとかイベントがめちゃめちゃ多いわけですよ。

柴田 懐メロ的な感覚で。

ターザン 懐メロ的にレスラーを呼んでトークショーをするというのが巷にあふれてるわけですよぉ。

柴田 あなたもしょっちゅうやってるじゃないですか(笑)。まさにそのとおりのトークショーを。

ターザン 最後にツーショット写真を撮ったりしてさぁ。

柴田 でも需要があるから成り立ってるわけですもんね。

ターザン 需要があるといってもマニアックな一部の人たちの話であって、それはもう終わってるわけですよ。

柴田 その先に何かがあるわけではない。

ターザン ない。未来なんて考えないで、ただのメモリアルの世界になってるわけ。

柴田 同窓会商法になっていると。

ターザン 昭和の歌謡曲で『昔の名前で出ています』というのがあったじゃない?

柴田 世代じゃないので知りませんけど(笑)。

ターザン まさにそういう形でさ、思考が過去に向かって生きているんだよね。

柴田 まぁ、ある程度の年齢になったら多くのひとが進む道という気もしますが。

ターザン 平成という時代で濾過されてるのに、まだ昭和を回帰させようとするんだよね。

柴田 逆にいうと濾過されたことによる反作用なわけですもんね。

ターザン そうそう。濾過されたことによる屈辱なのか反抗なのか。そうして今メモリアルな昭和のレスラーが、ゾンビのように復活してきてるんだよね。

柴田 どんな怨念がゾンビを復活させてしまったんでしょうか?

ターザン 要は自信のなさですよ。新しい時代に対応できないという不安感が、そういうメモリアルなものに向かわせるんだよね。

柴田 すがりたくなるわけだ。

ターザン それが今のマット界の現象だよね。

柴田 実際、メモリアルなムック本とか確かに手に取りたくなりますしね。

ターザン 過去の事件の検証シリーズとかね。

柴田 山本さんもよく登場して原稿を書いてるじゃないですか。

ターザン 俺はね、いつも前書きだけ書かされてるんですよ。中身はまったく読んでないわけ。俺はすべてが終わった時点で、目次だけ見せられて書いてくれと言われるんですよ。

柴田 最後に前書きなんだ。

ターザン 目次から自分なりに咀嚼して、こういうことが展開されているんじゃないかと想像して書いてるわけですよ。そして、その前書きが一番おもしろいと評判なわけですよ。

柴田 ああ、そうですか(笑)。

ターザン 前書きですべてが完結してるから、前書きさえ読んでいればいいというふうになっているんですよ。俺は今、定義王から前書き王になったんですよ! だって、あるプロレスを知らない女性編集者がさ、俺の前書きを読んで「こんな名文は今まで読んだことがない」と言ったというんだからさぁ。

柴田 なるほど。自画自賛はそれくらいにしておいて、時代の話に戻りましょう。

白身の世界で平成を掌握した新日本プロレス

ターザン うん。要は平成の中で濾過され中和されたプロレスには対応できないんだよね。昭和のくさみがまったくなくなったプロレスの代表格である新日本プロレスは、くせのない白身の魚で、プロレスの面倒くさいものはないからさ。そこで新しいファンが「白身の魚はおいしいね。淡白だね」ということで、ドーっと入り口が広がって、新日本プロレスの網の中に入りまくったんだよね。これは平成の大勝利なわけですよ。

柴田 その平成の大勝利を経て、今は令和になったわけですが。

ターザン 平成も終わって令和になったわけだけど、昭和から平成への時代を総括していないので、令和がなんであるかということを誰もわかっていないのが現在なんですよ。昭和も平成も断捨離した。つまり断捨離がテーマなんですよ。

柴田 過去に築いたものを捨てられるかどうかがテーマ。

ターザン 断捨離って怖いわけじゃない? 自分の思い出とか過去とか大事なものを捨てなきゃいけないわけだから。男には「捨てなきゃいけない、でも捨てられない」というものすごいプレッシャーがあるわけ。そこに非常な恐怖心があるわけ。

柴田 そういう意味では新日本プロレスはしっかりと断捨離はできた?

ターザン 新日は平成では新日本プロレスを濾過しきったわけですよ。それで新しい世界観を創造したわけ。そこで昭和を否定することはできたと。じゃあ令和はどうか?というところでは、新日本プロレスもテーマを見つけていないわけ。

柴田 では新時代のテーマは、いまだ誰も掴みきれてないと。

ターザン うん。ここで大事になってくるのは、ここまでの話はすべて男社会のことなんだよね。

柴田 ああ。自然と主語は「」であることを前提に話していますよね。

ターザン 男社会における闘争や力関係の話なわけ。ところがそこに21世紀になって初めてが出てきたわけ。女性が男性にかわるということで、男性の価値が大暴落している時代なんだよね。女性が取ってかわることによって、新しい時代が建設されかかってるの。そこで2000年に及ぶ長い日本の男社会が初めて否定されたというか。選手交代だというので、どう対応していいかわからないというのが現代の男どもなんですよ。

柴田 それによって男たちは狼狽し、メモリアルに走り、過去に向かって逆行しようとする力学が働くわけだ。

ターザン 女性がこんなに社会に進出する事態を見たことがないからね。女性の自意識が解放されて、女性が自分の生き方を追求し始めたことによる男社会の戸惑いが、現代の新しいカオスを生んでるわけ。なぜってそれは日本の男が2000年の歴史の中で経験したことがないことだから。

柴田 人間、経験したことのないものは恐怖ですからね。そのスタートラインに等しく立たされたことで、男は男の武器をことごとく失うわけだ。

ターザン 男に最後に残った武器は腕力だけよ。

柴田 さらにその腕力の世界でも女性の進出が著しいわけですよね。

ターザン そうそう。だからすべての面で女性が進出してきてるわけ。恐るべきことに。

柴田 それで男どもはメモリアルなトークショーに行って、ツーショットを撮ってという現実逃避的な世界へと大挙して向かうわけですね。なるほど、これでつじつまが合った。

ターザン そして、そういうイベントに参加しては過去の話をして小銭を稼いでいるのがこの俺ですよぉ。

柴田 こうして全世界の流れがターザン山本の小世界の中で完結しているわけですね(笑)。

僕の心の駆け込み寺「直DATE」

ターザン そこでね、女性が進出してきて自由・解放を大々的にやってきたら、もう認めるしかないわけですよ。そして認めるしかないのであれば、女性を好きになるしかないんよ。

柴田 ああ、なるほど。

ターザン だから俺は直DATEが好きだと言っているわけですよ。

柴田 なぜここで直DATEが出てくる(笑)。

ターザン 俺は男としてそこに逃げてるわけですよ。この時代の空気感の中で俺は直ちゃんを駆け込み寺として、この時代の混沌に対応しようとしているわけよ。

柴田 直DATEを駆け込み寺にしてたんだ。

ターザン そう。だから俺はトークショーで自ら直DATEを指名したんですよ。

柴田 ああ、それでトークショーで“ターザン御大”と呼んだ直DATEに対して、「御大なんて呼ばれたくない! その時点で俺を男として見ることから除外している! 失礼だ!」と謎の抗議をしてたのね(笑)。

ターザン そう。だって男として見てもらえなかったら、直ちゃんを女として駆け込み寺にしている俺の気持ちが行き場をなくすわけですよ。御大と呼ばれたんでは2人の関係性が成立しないんですよ。

柴田 それでよかれと思ってターザン御大と呼ぶティームデイト四姉妹に対して、憮然とした態度を示していたんですね(笑)。

ターザン このカオスの時代においては、自分が気に入った女性を好きになるというのが最後の拠りどころなんですよ。

柴田 ちなみに直DATEのことはどこが気に入ったの?

ターザン 俺の中であの子が一番、幻想があるんだよね。

柴田 幻想がある?

ターザン 能面みたいな表情でミステリアスでいいじゃない。

柴田 ある種もっとも日本美人的な。

ターザン 言語化できない魅力があるんよ。

柴田 定義王のターザン山本が言語化できないとは、女性ってやつはいよいよ怖い存在ですなぁ。

ターザン 男は女にはかないませんよ。

柴田 女性の時代になるのは当然の流れであって。

これからは女の時代であり哲学の時代

ターザン 俺たちが今やっているトークイベントはさ、メモリアルな記念的なものによりかからないでやってるじゃない。俺たちだけがそれに背を向けてやってるわけじゃない。

柴田 べつに俺たちだけではないでしょうよ(笑)。

ターザン 俺たちだけですよ。レジェンド主体のイベントに対して、俺たちは背を向けてやってるじゃない。

柴田 そうなんだ(笑)。

ターザン 俺はそれを誇りに思ってるわけですよ。もちろん俺だって猪木さんとか長州とか前田とか武藤とかレジェンドとやったら、そりゃウケますよ。

柴田 まぁ、テッパンですよね。

ターザン でも俺にとってそれはもう終わったことだから。新しいことをやりたいと。今の自分を表現したいということでやってるから。あちらがレジェンドを迎えてやってるのに対して、こっちは直DATEを呼んでやるというわけじゃない?

柴田 謎のラインナップで(笑)。

ターザン それで俺はこれはおもしろいと。だったらノーギャラでも行くよ、というわけで参加してるんだよね。そういう無駄な抵抗をしてるわけですよ。

柴田 恐れ知らずの竹槍軍団として世界と対峙してね(笑)。

ターザン 竹槍軍団の特攻隊長の俺に言わせればね、これからは女の時代であり哲学の時代ですよ。女の生き方を見せる。これが最大のテーマになるわけですよ。つまりコンセプトは「女武士道(おんな ぶしどう)」。これですよ!

柴田 なるほど。単に「女の時代だ」というのではなく「女武士道」なんだと。

ターザン 女こそ武士道であると。武道・武士道っていうのは生き方のことだから。勝負論を超えた生き方を見せるのが武道だから。

コンセプトは女武士道。僕は君の生き方を見つめたい

柴田 特に選手の「生き方」にフィーチャーするという意味では、武道以上に「武士道」というワードがすごくいいですね。しっくりくるというか。

ターザン うん。もちろん勝ちにはこだわるけども、勝ちよりも自分の生き方を追求するんだと。誰が最強だ、誰が世界一だというのは関係なしに、その個人に焦点をあてて、その生き方を見つめましょうと。これをしたときにまったくの新展開になるわけですよ。

柴田 そこで初めて新時代を掴むことができる。そこで初めて令和の時代を引き寄せられるんだと。

ターザン 技術の精度は世界一である必要はないの。君の生き方を見たいんだ、ということで我々は集まるわけですよ。

柴田 まさに直DATEを指名したターザン山本に通じる世界ですね(笑)。

ターザン 女こそ今もっとも自分の生き方を追求しようとしているわけだから。おんな格闘技というんじゃない。おんな武道、おんな武士道ですよ。競技の世界で負けたら、じゃあもう引退しますとなるよね。違うんだよ。俺はその子の生き方を見たいわけだから。だからそこで負けたから終わりということではないんですよ。

柴田 その生き方に武道・武士道を見出すんだと。女子格闘技であれば世界中の誰がやってもかまわないわけだけど、「女武士道」であれば、そこに我々日本人だからこそやるんだという意味が生まれますしね。使命感にも似たものが。

ターザン うん。格闘技だと男の二次産物になってしまうわけじゃない? コピーになってしまうわけじゃない? それでは本当に女を評価したことにはならないと。

柴田 ただの男性の複製品になってしまう。

ターザン そうじゃなくて女の本当の生き方を問いたいと。

柴田 女の真の姿が見たいと。そして、それが「おんな武士道」になるんだということですね。

ターザン そう。だから言ったろ。この俺たちだけが世界に背を向けて、新しいことをやろうとしてるんよ。

柴田 そうか。冒頭で出た女性の時代が来たから怖がるというスタンスじゃなしに、むしろ立ち向かって一歩中に踏みこんでいく。そして「女とは何か」を自ら求めていくわけだ。

ターザン うん。今こそ男の武道から女の武道に移行する最大のチャンスなわけですよ。

柴田 なるほどなぁ。時は来たというわけか。とりあえずまぁ谷川さんと話してきますよ。

ターザン 行ってこい。谷川こそ不死身のゾンビの親玉ですよぉ!

柴田 んあ〜。

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